カウル補修

 朝の冷え込みは依然きびしいのですが、日中はここ数日暖かい日が続いています。今日はちょっとツーリングという方も多かったのではないですか。
 今年のシーズンオフは、FZ750やRZV500といったヤマハ80年代車両の入庫が重なっています。このあたりの車両、一般的な消耗品は問題なく手に入るのですが、外装関係がほぼ全滅、新品を手に入れることはほぼ不可能です。現代のカウル付き車両であればクイックファスナーなどで固定されるところですが、当時の車両はボルトで車体にがっちり固定する方法が一般的。結果的に固定ボルト周辺にクラックが発生というのがお決まりのパターンです。

 これが進行すると上の写真のように完全に割れてしまうのが普通です。STDカウルの場合はFRP製ではなくABS樹脂が一般的。ですからFRPのように裏からクロスを当てて補強するわけにも行きません。この場合はハンダゴテで溶接してしまいます。割れてバラバラになったパーツをハンダゴテで溶かして仮付したあと、要らなくなったカウルの破片を細長く切ったものを、溶接棒のようにして間に流しこんでいきます。

 冷えて完全に固まったら、余分なところを削り落とし色を塗れば完成です。クラックが入っただけの状態ならば、裏から溶かして固定しておけばそれ以上進行しませんし、ぱっと見は修正跡も判りません。もう手に入らない貴重パーツですから、こういった旧車をお持ちのみなさんはまめにメンテされることをお勧めします。ハンダゴテがあれば誰でも出来ますので、寒い冬の間にトライしてはいかがですか。