AP2&4レースST600プロジェクトその6 決勝レース

 梅雨本番、今日も1日雨になりました。表にバイクを出せなくてなかなか仕事が捗りませんが、まぁこの時期は仕方がないですね。
 先日からお伝えしていた通り、先週末はオートポリスでスーパー2&4レースが開催されました。オサムちゃんことデーククラフトレーシングの宮崎敦選手は、事前テストで収集したデータを元にセットアップを進めましたが、限られたタイヤ本数と時間の中で思うようにタイムアップできず、ノックアウト方式の予選はまさかのQ1敗退、26位に終わりました。
 今回は2ヒート制のため、レース1は予選後土曜日に行われます。限られた時間の中でセッティング変更して臨んだレース1、26番手スタートから徐々にポジションアップ、最終的には16位まで挽回し何とかポイントをゲットしました。

 決勝中のマシンの挙動を元に、さらに日曜のレース2に向けてセッティングを変更し、日曜のレース2に全てをかけました。
 そして翌日朝5時にデーククラフトを出発したのですが、前日の天気予報に反して天気は下り坂。オートポリスに着いた頃には本格的な雨となっていました。今大会初めてピレリタイヤを履くオサムちゃんですが、事前テストからここまで天気に恵まれていたため、レインタイヤを履く機会がありませんでした。朝のウォームアップ走行でレインのセッティングを決めなければなりません。まずは常識的な雨セッティングでコースイン、途中セッティング変更でピットインするまで3〜4番手あたりにつけることが出来ました。最終的に14番手でウォームアップを終えますが、決勝に向けて我々は確かな手ごたえを感じることが出来ました。
 レースに向けてやれることは全部やらなければなりません。もう一度オサムちゃんとセッティングについて打ち合わせ、良かろうと思われる変更を全て行うことにしました。通常レースに向けては大きな変更は出来ないものですが、26番手から上位を狙うにはそれなりにリスクを犯さないといけないのも事実。さらにセッティング変更を行ってレース2に臨みました。

 泣いても笑っても最後のレーススケジュールとなるレース2、見事なスタートを決めたオサムちゃん、1周目に大きくジャンプアップ、10番手でオープニングラップを終えます。その後も順調に前車をパスして7番手まで挽回、更にポジションアップできるか。ただスタートしたぐらいから止み始めた雨は、レース途中にはほとんど上がり、コースコンディションは急速に回復し始めます。それと反比例するようにオサムちゃんのペースは上がらず、ポジションも10番手まで後退、残り周回数も少なくなってきました。そして迎えた最終ラップ、前方よりペースダウンする選手、後方より追い上げる選手が入り乱れ全く予想がつかないまま最終コーナーを見つめる我々の前に、オサムちゃんはひとつポジションをアップして、9位で現れました。8位の選手まで僅か0.022秒、見事な最終ラップでした。
 人もモノもお金もない中でスタートした今回のプロジェクト、レースウィークはわざわざ休みを取ってまで駆けつけてくれたデーククラフトレーシングの仲間達に手伝ってもらい、なんとか無事にスケジュールをこなすことが出来ました。デーククラフトレーシングとしては初めての全日本参戦、おまけにノックアウト予選方式、2ヒートレースと慣れない事だらけで、セットアップも思うように進みませんでした。それでも16位と9位を獲得できたのは、ライダーの高いスキルと、仲間達の熱い想いのおかげです。この経験を生かして今後の選手権、サンデーレースでもっと上を目指して頑張ろうと思います。プロのレースを間近で見たチームのみんなも、きっと何かを掴んでくれたはずですから...。
 今回の参戦にあたりいろんな形で支援していただいた皆さん本当にありがとうございました。これからも応援よろしくお願いいたします。