お次はGPZ900R

 しばらく続いたポカポカ陽気もひと休み。午後からは久しぶりの雨になりました。店の前の花壇もカラカラだったので、これも恵みの雨と思うことにします。
 YZF-R6、YZF-R1とレース用エンジンのOHが終了して、お次はストリート用GPZ900RのエンジンOHです。発売当時は世界最速の名を欲しいままにしたカワサキの傑作バイクですが、R6/R1といった最新SSモデルのエンジンと比べると古さは否めません。エンジンそのものも大きく、現代の基準からするとすべてが大きく重い作りになっています。ただ頑丈な造りと大切にしてきたオーナーさんのおかげで、年式からするとダメージはびっくりするほど少ない車両でした。


 Ninjaのトラブルといえば真っ先に考えられるのがカムとロッカーアームの齧りですが、ご覧の通りロッカーアームのスリッパー面もカムフェイスも大変美しい状態でした。今回のOHは今後5万キロ10万キロと気を使わず、走行会からツーリングまでいろんなシーンで思いっきり走りたいというオーナーさんの希望をかなえるため、あくまでSTDベースでコンディションを維持できるよう実施します。ですからNinjaに多いヘビーチューニングは行わず、後期型の対策パーツを使いながらなるべく長く好調が維持できるようにという観点でプランを立てています。

 写真のスタータークラッチもその一つ。3本ローラータイプの旧式を、ワンウェイベアリングタイプの後期型に変更する予定です。木曜からは各部の寸法を測定して、必要な個所に必要な処理を施します。元気のいいエンジンになるようがんばりますよー!