バルブタイミング調整

 今日は天気予報通りポカポカ陽気になりました。しばらくはこんな天気が続くそうですから、今のうちに作業どんどん進めなくちゃ。
 さて先日から日記に書いているR1の組み立ても大詰め。最も重要な作業に入りました。バルブタイミングの調整です。ポート研磨や面研、バルブシート修正などももちろん重要なのですが、最後にバルブタイミングを間違えてしまうと、それら一連の作業が台無しになってしまいます。これを疎かにすると、性能が出る出ないの前にバルブとピストンが接触してしまい、エンジンブローにつながってしまうためです。もともとストック状態でも一昔前のレーシングエンジン並みに高圧縮な最新SSモデルでは、ピストンとバルブのクリアランスもシビアになっています。精度の高い国産エンジンですので、全てストック状態ならばマニュアル通りに組めば何ら問題ないのですが、レース用に面研したり、ヘッドガスケットを薄いものに変えたりした場合は、気をつけないとピストンとバルブが接触してしまいます。

 現行R1ではバルブタイミング調整用に、カムスプロケットに長穴加工が施されていますので(長穴2か所、通常穴2か所、どちらも使用可)、その穴を使ってタイミングを合わせればいいようになっています。

 上の写真のようにフライホイール側にタイミングホイールを付けて、ダイヤルゲージで圧縮上死点を探し、マニュアル通りのバルブタイミングに合わせます。ただし面研等でバルブとピストンクリアランスが狭まっている場合は、圧縮上死点前後10度あたりのピストンとバルブのクリアランスを測定し、リミット以上のクリアランスが取れるまでバルブタイミングをずらしていきます。これまたずらしては測定し、ずらしては測定しの根気のいる作業ですが、耐久性も性能も左右する大事な作業ですので気を抜くことはできません。これが終われば後は補器類を付けて組み立て完成します。ゴールまであと一息、少しでも速くなるようあとひと頑張りです。