FZ復活日記その5-ファーストインプレッション

 今朝は随分と冷え込みました。そろそろバイク通勤にはグリップヒーターが欲しくなりますね。マジェスティーにもつけよ!
 ポンコツを手に入れて少しずつ手直ししてきたFZ750ですが、車検取得後宮崎ツーリングを含めて約900kmを走破しrましたので、この辺でファーストインプレッションを書いておこうと思います。

 これまで日記の中で書いてきたとおり、クラッチ&ブレーキマスターを社外品に交換して、チェーンを520化した以外はほぼSTDの状態で、まずはその実力を探ろうということで走り始めました。23年前のマシンですし、持ってきたときの状態から乗らずに置いてあった期間も少なからずありそうで、最初は完調からは程遠い状態でした。ブレーキやサスペンションはオイル漏れなどもあり、とりあえずOHしていますが、エンジンに関してはオイルとオイルエレメント、エアクリーナーエレメントのみの交換にとどめています。当初始動性が悪く、かかってもなかなかアイドリングが安定しないような状況でしたが、オイル交換後は始動性・アイドリングの安定性ともに良好で、不安なメカノイズもなく元気に走り回っています。使用したオイルは、ブレインズのストリート用化学合成オイルで『RT50』という銘柄です。もっと高価なレーシングオイルを使うという手もあったのですが、これまた一般のストリート用オイルでエンジンのフィーリングを見るという観点からこのオイルを選びました。通常水冷エンジンですともっと柔らかいオイルを選ぶのですが、20年以上前の鉄スリーブを使ったシリンダーですし、走行距離も4万キロを超えてピストンとシリンダーのクリアランスも、随分と広がっている可能性があります。ここはひとつトップエンドのエンジンの回り方よりも、熱ダレなどの対策を優先することにしました。おかげでフィーリングは良好、リッターバイクほどのトルク感はありませんが、20年以上前の750ccとは思えない力強い加速を見せてくれます。ただ5,000rpmを超えたあたりから車体全体に細かい振動が感じられ、エンジン自体はちゃんと回ってくれるものの、気持ちのいい回転フィーリングとは言えません。これはお客様のFZに試乗した時にも感じましたし、巨大なハンドルバーエンドやラバーマウントのステップブラケットなどから推測すると、FZが抱える根本的な問題なのでしょう。この辺りは今後予定しているエンジンのOH作業を経てどれくらい変化するか楽しみです。

 車体に関しては、効かないブレーキ、動きすぎるサスペンション、フロント16インチ等、現在の標準から大きく外れた構成で心配していましたが、一言で言って『素直で乗りやすい』とちょっと拍子抜けしてしまいました。ブレーキの効きは確かにちょっと物足りないし、サスペンションも動きすぎるといえばそうなのですが、それらがうまくバランスしていて、乗り心地もよく路面の継ぎ目などもうまく吸収してくれます。もちろんピッチングが大きいのでフロントブレーキだけでは止まりきれませんし、ブレーキそのものも早めにじわっと掛ける必要がありますが、慣れてしまえばそれほど問題ありませんし、ピッチングを利用して曲がる所謂ヤマハ車らしいセッティングともいえます。また16インチのメッツラーレーザーテックも、このよく動くサスペンションのおかげで、非常に良くグリップ感を伝えてくれます。ただ今後モディファイするうえで、ブレーキだけを強化したり、サスペンションだけを変更したりすると、せっかくのバランスが崩れてしまいそうで、慎重に検討して作業を進める必要があるようです。ここまでのところ23年前のスーパースポーツモデルは、スポーツライディングを楽しみながらいいペースで長距離移動もこなすスポーツツアラーとして優れた資質を持っているように感じます。センタースタンド(最近はこれの付いてるバイク少ないですよね)も便利ですし、しばらくはスポーツツアラーとしていいところを伸ばす方向でモディファイの道を探ってみようと思います。