雨のち曇り、そして最後は晴れ

inotatsu2008-04-08

 昨日の雨も上がり、今日はポカポカ陽気になりそうな予感。もう春本番と言ってもよさそうです。
 更新が遅くなりましたが、今日は週末開催された九州ロード選手権第1戦の報告です。以前からこの日記で経過を報告していた『D-project』、これがいよいよ大楽竜也+YZF-R6のデビューレースとなりました。サーキットの走行枠と天気の関係で、3月中に思ったほど練習できなかったのですが、レース前最後の練習となる5日(土)は5本の走行枠があると言うことで、中古タイヤで1本フィーリングを掴んだ後、新品タイヤである程度のタイムを刻んでおこうという予定でした。1本目午前中まだ気温が低いことと、150km以上走った中古タイヤということで、タイムは抑え気味、セッティング確認して終了。そして2本目、新品タイヤに交換してコースイン。1ラップ目からコースレコードと変わらないタイムで周回。走行台数が多い為、連続してタイムは出ないものの、やっと取れたクリアラップでは非公式ながらコースレコード更新!『よーしこれでレースに向けて自信がついたかな』と思った矢先でした。帰ってこない...。走行終了後レッカーに乗って戻ってきたマシンは『かなりグシャグシャ』、ほとんど全損状態ということで、これを修理するのを諦め、今回出場しないshibataくんのマシンを借りることにしました。サーキット事務局で車両変更届の書類を貰い、私は一路福岡へ!高速のパーキングで待ち合わせして車両を受け取り、今度は一路デーククラフトへ!店に帰り着いたのは夕方、今度は転倒車両から使えるパーツを外し、shibata号に移植です。チビタツと2人手分けして作業を進めていきます。翌日はレースと言うことで、途中からチビタツを休ませ、私が作業を続けて結局出来上がったのは午前3時過ぎでした。そうこうしているうちに出発の時間となり、ゲートオープンにはオートポリス到着。なんと慌しいレースウィークでしょう!?
 テントを設営したり、車検を受けたり、応援に来ていただいた皆さんに御挨拶している間に気がつけば公式予選の時間です。他人から貸してもらったマシンの初ライドが公式予選ですから、さすがに今回ばかりは『2列目までに並べれば上出来かなぁ』と思っていましたが、いざ蓋を開けてみれば2位に2秒の差をつけてポールポジション。チビタツの潜在能力には本当にびっくりさせられっぱなしです。
 練習走行で一緒に走ったみなさんが口を揃えて言うように、チビタツのライディングはまだまだモタードそのもの。ラインは無茶苦茶、アウト−アウト−アウトなんてこともしょっちゅうで、きれいにアウト−イン−アウトが決まることはときーどき。ブレーキングでスライドし、立ち上がりでもスライド。いったい何処でタイムを稼いでいるのか分かりませんが、タイムはとんでもないタイムを刻んでしまいます。こんなこれまでの枠に当てはまらない男の初めてのレースを見届けようと集まっていただいた多くのみなさんに見守られながら、午前11時25分決勝レースがスタートしました。クラッチミートで失敗したチビタツ、1コーナーは3番手でしたが、すぐにトップを奪取。途中エンジンブローしたマシンからコース上にオイルが出て、後続が巻き込まれるなどハラハラする場面もありましたが、最終的には2位に7秒差を付けての初優勝となりました。
 私がプロのメカニックとしてロードレースに携わるようになって19年、こんなにドキドキハラハラしたレースは数えるほどしかありません。そういった意味では、チビタツはもう既に私がこれまでに見届けた多くのトップライダーと代わらないレベルなのかもしれません。ただし優勝インタビューで『イエローフラッグの意味が分かんなくて』と答えたのはマイナス80点でした。すみません監督不行き届きです。
 応援に来ていただいた多くの皆さん、地方選の名もないライダーながらスポンサードしていただいた皆さん、そしてこんな危険なライダーに快くマシンを貸してくれたshibataくん、皆さんの協力があって初めて達成できた優勝です。本当にありがとうございました。次回第2戦は5月11日HSR九州での開催です。またワクワク・ドキドキするようなレースがお見せできるよう頑張ります。応援よろしくお願いします。