ベアリングいろいろ

 今日は薄曇りだったおかげで、暑さもそれほどではありませんでした。こうやって少しずつ秋へと向かうんでしょうね。
 先日UPしたFZ750復活日記のブレーキ編には、いろんなところから反響がありました。自分でバイクいじりをやるのが好きな皆さんは結構いらっしゃるようですが、細かいところが解らないということのようです。ですのでこれからもバイクいじりの参考になるような内容を選んで、ときどきUPしていこうと思います。ということで今回はベアリングについて少しだけ。

 オートバイにはエンジン・車体にかかわらず多くの回転部分にベアリングが使われています。ボールベアリング、ニードルローラーベアリング、プレーンベアリングなど形状も用途も様々です。上の写真はもっとも一般的に使われるボールべリングですね。エンジン内部のミッションなどの軸受けから、車体ではホイールの軸受け等さまざまなところに使われており、一般の方がグリスアップなどする際に最も目にするタイプのベアリングです。このようにボールが外部から見えているタイプのベアリングは、一般的には開放型ボールベアリングと呼ばれます。潤滑油に浸かった状態で使用されるか、グリスを封入してオイルシールで外側を覆って使われることが多く、最も低フリクションで、許容回転数も高くなります。エンジンオイルで潤滑しながら使われるエンジン内部に多く使われますが、比較的古い車両のホイールべリングなどにも使われることが多いですね。現在OH中のFZのホイールベアリングもこれが使われています。車体に使う場合はやはり埃や水の侵入が一番問題となるのですが、ホイールベアリングとして使う場合など、外側にダストシールを付けても軸の周りでシールごと回転しますので、どうしても少なからず水にさらされることになります。長年グリスアップなどのメンテナンスを怠った車両ではボールに錆が発生し、折角の低フリクションも大なし、最悪の場合ボールがばらばらになってしまった車両もありました。

 ということで登場したのが、ベアリング本体にシールを備えたシール付ベアリングです。これにもいろいろと種類があり、写真左は接触シール付ベアリング、右が軽微接触シール付ベアリング(低トルク型ベアリング)と言います。これ以外にも非接触シール付ベアリングなどがあり、当然のことながら接触>軽微接触>非接触の順でフリクションが大きくなりますが、同じ順番で耐久性も高くなります。シール無が一番フリクションが少ないわけですが、錆やごみですぐにスムーズな回転が損なわれては本末転倒なので、デーククラフトではレース用車両のホイールベアリングには軽微接触シール付を使うことが多いです。

 ベアリングの種類やサイズを調べるときには、メーカー発行のベアリングカタログが役に立ちます。NTNやKOYO、NACHI等多くのベアリングメーカーがカタログを無料配布していますし(HPから請求できます)、HP上でPDFファイルで公開しているところもあります。これを見ればどの規格のどの種類を使えばいいかわかりますし、タイプを換える際など(シール無→シール付等)許容回転数が記載されていますので、計算すれば安全性に問題がないことも確認できます。ホイールベアリングを交換し、ブレーキのシールを交換することで、引きずりなくスムーズに回転するホイールが復活します。結構気持ちよくて病みつきになるかもしれませんよ。